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何回来たら治ります?

残暑お見舞い申し上げます。大阪府吹田市、江坂駅近くの花咲鍼灸室です。

お盆はとっくに過ぎたというのに毎日まだまだ暑くて、調子を崩しているという方も多いんじゃないでしょうか。

コロナウィルスも困るけど、熱中症の方が危険度は高いので、皆さんくれぐれも外でのマスク着用には気を付けてくださいね。

東洋医学では「暑すぎる天候」は「暑邪」、最近の夏のように「おかしいやろ」っていうような暑さは「熱邪」と呼びます。

極端に暑い寒い湿気すごい、みたいな外気の影響は、身体の正常な働きを邪魔して病気の原因になるため、「外邪」と呼ばれます。「邪」って悪そうですね。

そんな暑邪、熱邪のシーズンは汗がダラダラ出たり、冷たいものを飲んだり食べたりすることでお腹を壊したりして、身体から沢山の「水」やその中に含まれている「気(エネルギーみたいなもの)」を失ってしまうので、体力を奪われて病気にかかりやすくなる、と言われてきました。

そんなわけで暑い時期には、

・当たり前だけど出した分+αの水は入れましょう

・キンキンに冷たいものは「ほんまに暑い!」とき限定。普段の飲み物は常温で。食事の時は温かい消化のいいものを食べて胃腸を労わって。

・とりあえずよく寝ましょう

あたりを心がけてくださいね。

長引く暑さで疲れが蓄積してきています。季節の変わり目は特に注意が必要な時期です。

ところで、鍼灸院に来られた方からのよくある質問に「どれくらい(何回くらい)で治りますか?」というのがあります。

患者さんが鍼灸院に来られるきっかけはやっぱり、「どこかが痛い」からが一番多いです。

うちは女性専門ということで、「赤ちゃんが欲しいから」「生理・PMSが重くてしんどい」というような理由の方もいらっしゃいます。

だから一概に何回、どれくらい、とは言いにくい場合も多いんですが、「どこかの痛み」が来院きっかけの場合、私は「まずは週1回を2~3回、痛みが治まったらその後はメンテナンスで月1回来てもらえたら」とお伝えすることが多いです。

勿論症状の強さや発症してからの期間、普段の生活での疲労度等で、必ずしもこの通りに治るわけではないんですが、急性の強い痛み、ぎっくり腰や寝違えの首の痛みなどは、大体一回目である程度動きやすくはなります。

痛みを早く治してしまいたい患者さんは、一回目が終わると続けてやった方がいいんじゃ、と思うみたいなんですが、ちょっと待ちましょう。

「鍼を打つ」という行為は当然、体に傷をつけるわけですから(目には見えない小さな傷ですが)、その傷を治すためにある修復のための細胞たちは、めっちゃ頑張り出します。

言ってみれば鍼を打つというのは、修復機能の「やる気スイッチ」を押す行為です。

頑張って治してる最中に続けてスイッチを押しまくっても、効果はあまり変わりません。

私たちと同じです。一生懸命仕事してる時に頑張れ頑張れと言われても、「やっとるわ!」ってなるじゃないですか。

少し待って一旦作業が落ち着いてきた頃にまた刺激してあげることで、より丁寧な修復をしてくれて、足りないところまで広げて治してくれたり、体全体の疲れを回復してくれたりという余裕が出てくるわけです。

それを繰り返し、「今回の痛み」が落ち着くのが大体「週1回を2~3回」です(ひどく痛めてしまった場合、もう少しかかる場合もありますが)。

そしてとりあえずの修復を終えた体は「治った」のかというと、実はそうでもなかったりします。

急に来る「痛み」は蓄積した疲労の結果です。そして「そこ」が痛くなるには、理由があるわけです。

普段「そこ」に負荷がかかる生活をしている、とか、ずっと前に「そこ」に大きな傷がついたことがあるとか。

そういう箇所はその人の弱点です。今回の痛みが治まったとしても、また疲労が蓄積した時には症状が出てしまいます。

そうならないための「その後はメンテナンスで月一回」です。

痛くなってからまたくればいい、って思われるらしくて、実際には来られなくなる方が多いんです。

でも、普段の生活のパフォーマンスを落とさないためにも、何よりまた痛くなるのを予防するためにも、月1回くらいは体の修復機能のスイッチを押してあげることが大事なんですよ。

私たちの体は、毎日いろんな刺激にさらされています。

それこそ暑い寒い湿気がすごい、というような外気からの刺激。

食べるものが偏ってる、飲み過ぎた、あんまり寝てない、仕事が忙しかった。失恋した上司がムカつく、とかいう生活習慣、ストレスからの刺激。

それらは小さなダメージとなって修復機能を弱らせ、疲れを溜めてしまってある日爆発します。

痛くなると、それはまた新しいストレス。

そして、体は日々年を重ねています。

痛くなったらその時行く、でも勿論対応はできますが、年を重ねて修復機能自体が衰えてくると、いくらやる気スイッチを押しても、治るまでの時間が遅くなってしまったり。

週1回を2~3回、が4回、5回と増えてしまうこともあるので、できれば痛くならない体をキープしてもらえたらなあ、というのがいち鍼灸師の本音だったりします。